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Koji Hashimoto | Osaka univ. | Japan

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数理連携10の根本問題の発掘.

こんなタイトルの研究会を年末に主催した.本当のところを言うと、成功するとは思っていなかった.オーガナイザーがそんなんゆうたらほんまあかんけど、でも、実のところ、うまくいかないと思っていた.

ところが.この研究会のなんと楽しかったことか.ほんまに、全く予想外やった.これは、研究会に参加して下さって議論を盛り上げて下さった皆様、そして、講演者の皆様、のおかげである.心より感謝している.

そもそもこの研究会を作ろうとなったきっかけは、ひょんなところだった.文科省と数理連携でやろうということになった時に、せっかくやるんやから、実験的な企画、しかも、誰もやったことのないような企画、そして、失敗してもいいような企画、やってみて良かったと思えるような企画、にしようということで、オーガナイザーの津田さんと小谷さんと盛り上がった.そうせな、やりがいも無い.補助金がらみの研究会が全国で多発して、研究者がそのオーガナイズに疲弊している昨今に、よけいな研究会なんて、まったく必要ない.しかし、全く新しい形の研究会なら、やってみたい.失敗してもいいから、やってみる、その言葉が、気分を軽くしてくれた.

「10の根本問題の発掘」って、えらく仰々しい.根本問題というところが、大上段に構えている.けど、実のところ、1個でも出てくればほんまにもうけもんやと思っていた.根本問題なんて、かなり難しい.人生をかけられるような問題を根本問題というなら、研究者はそれを求めて人生をかけて研究している訳で、そんな問題が、たった4日の研究会で出てくるなんて奇跡に近いように思えた.

しかし、オーガナイザーを中心として、招待講演者に招待議論者、総勢30名近い、エキスパート中のエキスパートが集結することになった.数学者、物理学者、生物学者、脳科学者.議論好きな方々に特に集まってもらい、議論から生まれるアイデアや考え方を成果とする研究会とした.

そうそうたるメンバーで開幕した初日、数学者の荒井さんの一言が僕の胸を刺した.「根本問題なんて無限にあるんです.」そう、大事なのは、難しい問題を考えることではなく、数学と諸分野の間にすっぽりとはまり両者の研究者の頭を刺激し、その問題が解けることによって科学に多大な影響があるような問題、そういう問題なのである.難しい問題なんて無限にある.けれども、重要な問い方というのは、なかなか出てくるものではない.講演者のうち、大栗さんもそのように発言されていた.

講演は30分用のスライドをお願いし、実際の講演時間は1時間20分.その長さに講演者の方々は当惑していたが、しかし、ふたを開けてみると、様々な質問や議論が飛び交い、座長が議論を静止しなければいけない事態がたびたび.分野外の聴衆に話す前提で講演を構成していただいたため、初歩的なところの議論からスタートし、分野の言葉が違うところから来るすれ違いも多々あった.しかし時間を忘れるほどの議論の濃密さで、楽しい時間はあっという間に過ぎていった.脳科学者、数学者、物理学者、生物学者が、こんな風に時間を一緒に過ごすような研究会は、初めてだったに違いない.

参加者の一人が、「あー、おれこんな研究会を開催したかったんすよ」とポロッと言ってくれたのが、オーガナイザーへの最高の賛辞だった.講演者の方々からいただいたスライドから、根本問題の発掘を、オーガナイザーなりにやってみている.結果は公開して、参加者や講演者のみなさまの意見を募り、今後に生かしたいと考えている.

今回の研究会を振り返ると、やはり、研究会とは話を聞く場ではなく、話を元に議論をする場でないと、楽しくないということである.分野外の話を議論のレベルまで持っていくには、講演者の力量が問われ、その意味では、今回は講演者の方々のご努力でここまで議論ができるような研究会になったのは明らかである.招待議論者(core discussant)という形で、議論をしていただける方を招待したことも良かったかもしれない.とにかく、分かりやすい話、そして、議論、である.普段の研究の延長線上にこのような異分野交流の研究会が連続的につながったのは、奇跡に思えた.

研究会が終了した年末12月29日.部屋を片付け終わって、ドアを閉めようとする時、この部屋のドアを閉めたくない衝動に駆られた.この部屋でついさっきまで四日間、すばらしい科学者たちが思い思いの議論に熱を上げていたことが、信じられない感じだった.で、ドアを閉めて電気を消すのをやめて、講演者側のところに一つ椅子を持っていき、ひとり、広い会場に座ってみた.すると、いろんな議論が目の前によみがえってきた.すばらしい講演、鋭い質問、聴衆の間で戦わされる議論.何とも表現のしようもない、とてもとても贅沢な空気の中に、僕は一人座っていた.科学者をやっていて良かった、と思える瞬間だった.

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